
10月19日、地元・北海道石狩市。母校での凱旋大会に臨むタイチが、これまでの波乱万丈なレスラー人生を振り返る
――高校3年間のレスリングの練習はいかがでしたか?
タイチ:まさに“昔ながらの部活”の指導方法で、監督も今では考えられないような厳しさだったよ。マジできつかった。何度も逃げ出そうと考えた。1日3回も練習があって、勉強なんてまったくできなかった。授業中はいつも疲れたてて寝てたよ(苦笑)。
――1日3回も練習されていたのですか?
タイチ:朝5時に起きて朝練をしてから学校へ行き、放課後は夕方まで練習。いったん合宿所に戻って飯だけ食って、夜は8時半から9時半まで道場でウェイトトレーニング。今思えば、レスラーよりハードな生活だった。
でもその頃はプロレスに憧れていたから「プロレスラーってもっとすごいんだろうな」って勝手に想像してたんだ。部活でこんなに厳しいなら、プロに入ったらもっと厳しいだろうなと。
だから、高校3年生の時に一度諦めた。高校3年間頑張れば、レスリング部のある大学や自衛隊に入れて、監督に「どうするんだ。お前、プロレスやるのか?」って聞かれ「もうプロレスは僕には無理だと思うんで、レスリングも辞めます」と伝えたよ。
――心が折れてしまったのですね。
タイチ:実は、一度もレスリングを好きだと思ったことはなかったんだ(笑)。やっている最中も面白いと思ったことが一回もなかった。本当に嫌で何度も逃げ出したよ。