
大阪で『第11回 MJS presents JCカップU-11少年少女サッカー大会』が開催され、全国10地区大会を勝ち抜いた47都道府県の代表チームが熱戦を繰り広げた。大会は、勝敗を超えて多様性を理解し共に生きる心を育むことを目的とし、元日本代表の北澤豪氏や人気YouTuberと共に「デフサッカー体験」と「手話実況体験」を実施。多くの参加者が貴重な学びを得た。

”音のない世界”でのコミュニケーション
デフサッカーは、聴覚障がいを持つ選手がプレーする「音のないサッカー」として知られる。選手は補聴器を外してアイコンタクトや手話で連携し、審判は笛の代わりにフラッグでプレーをコントロールする。
この体験企画には、元サッカー日本代表の北澤豪氏をはじめ、デフサッカー日本代表の國島佳純選手、杉本七海選手、デフ自転車の早瀨憲太郎選手が講師として参加。さらに人気YouTuberのウンパルンパ氏とREGATEドリブル塾のTAKUYA氏、しょーちゃん氏も子どもたちと交流し、会場は大きな盛り上がりを見せた。
子どもたちは北澤氏やデフサッカー日本代表選手による華麗なボールさばきに歓声を上げ、プロの技術を間近で体感。音のない環境でのプレーを通じて言葉だけでなくアイコンタクトや身振り手振りで意思を伝えることの重要性を学んだ。人気インフルエンサーとの交流も相まって子どもたちにとって忘れられない経験となった。

手話実況、スポーツの楽しさを全ての人へ
続いて行われた「手話実況体験」では、スポーツをより多くの人が楽しめるよう、手話を用いたスポーツ実況に挑戦。岡山放送の協力を得て、ろう講師やデフサッカー女子日本代表選手を招きインクルーシブな社会を目指す取り組みが展開された。
子どもたちは、ろう講師の指導のもと、「ゴール」「パス」「シュート」といったサッカー用語を手話で習得。クイズ形式で楽しく学びながら習った手話を使い、実際にプレーを実況する体験を行った。この体験は単なるアクティビティにとどまらず、子どもたちが試合中にも手話を使うきっかけとなり、スポーツを通じて共生社会の実現に向けた第一歩となった。
グッドルーザーの精神、相手を称える強い心
今大会は、特別協賛の株式会社ミロク情報サービスのもと、2015年から続く第11回目の開催。サッカーを通じて、たとえ負けても相手を称えられる「グッドルーザーの精神」を育むことを目的としている。
予選リーグと決勝トーナメントを勝ち抜き見事優勝したのは、関東地区代表のバディーSC(神奈川県)。準優勝は石切東FC、3位はフォルツァ松本という結果となった。全ての試合後には両チームが互いの良いプレーを称え合う「アフターマッチミーティング」が実施され、グッドルーザーの精神が会場全体で共有された。
次回、国際大会は名古屋で行われる予定。日本からは、今大会優勝のバディーSCを含む4チームが参加し、海外からはフランスのパリ・サンジェルマン、スペインのラージョ・バジェカーノなど8カ国8チームの合計12チームが参加し、世界の強豪チームと激突する。
国際大会詳細
大会名:MJS presents JCカップU-11少年少女サッカー大会 国際大会
開催日:9月27日(土)、28日(日)
会 場:テラスポ舞鶴(名古屋市)
公式HP:https://www.jaycee.or.jp/jccup/
記事/まるスポ編集部