
東京女子プロレスが9月20日、東京・大田区総合体育館で「WRESTLE PRINCESS Ⅵ」を開催した。遠藤有栖が元WWEスーパースターのプリシラ・ケリー(旧名=ジジ・ドリン)とのインターナショナル・プリンセス王座決定戦を制し、悲願の初戴冠を果たした。
同王座は宮本もかが保持していたが病気療養のため返上。夏のシングルトーナメント「東京プリンセスカップ」で準優勝を果たした遠藤とジェイダ・ストーンによる王座決定戦が決まっていた。ところが、ジェイダが負傷欠場のため、大会3日前に対戦相手がプリシラに変更された。プリシラは2018年にはプリンセス・オブ・プリンセス王座(当時の王者は山下実優)に挑戦したことがあり、WWEマットに参戦後には、NXT女子タッグ王座を獲得したこともある実力者。
初対決となった両者だが、序盤はプリシラの変則的な動きに遠藤が手を焼く。プリシラはラリアット、変型ボムを繰り出すも、遠藤はエプロンで鶴ヶ城。その後、キャメルクラッチ、スリーパー、再度のキャメルクラッチで締め上げるもエスケープ。エルボーのラリーから、プリシラがハーフネルソン・ジャーマンもカウントは2。それでも立ち上がった遠藤は水車落としで流れを変えると、スーパーキック、什(じゅう)の掟を決めて3カウントを奪った。これで遠藤はシングル王座初戴冠となった。
バックステージで遠藤は「重い…。やっと獲れました! 今までホントに一人で頑張って、目に見える勲章ってものがなかったから。今回やっと、人生初めて一人で手に入れたベルト。初めてこれに触れて、もっと自分自身も大きくなって、このベルトと一緒においしいものとか楽しいところにいっぱい連れてって、遠藤有栖の色にします」と喜びを露わに。対戦相手が急きょ変更となったが「私は何も変わらない。ベルトへの気持ちも変わらなかったし、プリシラの存在は知ってたから。このベルト懸けて戦えて、それで私が勝って、このベルトを手に入れた。最高の、一生忘れない思い出です!」満面の笑みを見せた。
王座奪取ならなかったプリシラは「インディーに戻ってきてから、一番キツい試合だったかもしれない。アリスも最近対戦した中でも最高の選手だし、試合ができて光栄に思ってます。今日もハードな試合になってうれしかったので、ぜひリマッチを要求したい。もう1回、彼女とやらせてください」と再戦を要望していた。
【大会名】WRESTLE PRINCESS Ⅵ
【日時】2025年9月20日(土)
【会場】東京・大田区総合体育館
【観衆】1127人
▼第1試合 20分1本勝負
鈴芽&●小夏れん vs 駿河メイ&高見汐珠○
12分55秒 コアラクラッチ
▼第2試合 アイアンマンヘビーメタル級選手権時間差入場バトルロイヤル 時間無制限勝負
<王者>●らくのまくら/<挑戦者=4>●らく vs 桐生真弥○<挑戦者=8>
15分21秒 ダブルフォール
※らくへのスパインバスターからまとめて押さえ込む。らくのまくらが防衛に失敗、真弥が第1768代王者となる。< >内は入場順。
【試合経過】
①○ポコたん<1> vs 七瀬千花●<3>
8分2秒 体固め
※シャイニング・ウィザード
②<王者>●ポコたん vs らくのまくら○<挑戦者>
8分35秒 体固め
※窒息→押さえ込む。ポコたんが防衛に失敗、らくのまくらが第1767代王者となる。
③○らくのまくら vs 鈴木志乃●<2>
9分55秒 体固め
※キラ・サマーのサモアンドロップ
④○らく vs キラ・サマー●<7>
11分4秒 オーバー・ザ・トップロープ
⑤○らく/○ラム会長<6> vs 芦田美歩●<5>
13分39秒 オーバー・ザ・トップロープ
⑥○らく vs ラム会長●<6>
14分35秒 オーバー・ザ・トップロープ
▼第3試合 15分1本勝負
○アジャコング vs HIMAWARI●
8分53秒 片エビ固め
※バックドロップ
▼第4試合 フラッグ争奪公認ウェポンデスマッチ 15分1本勝負
●辰巳リカ vs 原宿ぽむ○
11分1秒 エビ固め
※丸め込む。
▼第5試合 20分1本勝負
松本浩代&○荒井優希 vs 風城ハル●&凍雅
13分52秒 片エビ固め
※Finally
▼第6試合 20分1本勝負
●山下実優&鳥喰かや vs 水波綾&愛野ユキ○
13分11秒 愛と炎のフルネルソン
▼第7試合 第15代インターナショナル・プリンセス王座決定戦 30分1本勝負
○遠藤有栖 vs プリシラ・ケリー●
10分59秒 片エビ固め
※什の掟。有栖が第15代王者となる。
▼セミファイナル プリンセスタッグ選手権試合 30分1本勝負
<王者組>●中島翔子&ハイパーミサヲ vs 上福ゆき○&上原わかな<挑戦者組>
17分2秒 片エビ固め
※ダイビング・フェイマサー。享楽共鳴が4度目の防衛に失敗、Ober Eatsが第19代王者組となる。
▼メインイベント プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合 30分1本勝負
<王者>●瑞希 vs 渡辺未詩○<挑戦者>
22分58秒 片エビ固め
※旋回式ティアドロップ。瑞希が4度目の防衛に失敗、未詩が第16代王者となる。
記事/まるスポ編集部
写真提供/東京女子プロレス