
愛知県岡崎市の岡崎竜城スイミングクラブは、2025年8月31日に伝統的な水中運動会『竜城祭』を6年ぶりに開催した。近年、学校での水泳授業や子どもたちの外遊びが減少する中、総勢94名の小学生が参加。水中玉入れやフラッグ競争などのユニークな競技に挑戦し、水と安全に触れ合う貴重な学びの時間を過ごした。子どもたちは思い切り水しぶきを上げながら、楽しさだけでなく挑戦心や仲間を思いやる心を育む一日となった。
水の中だからこそできる挑戦、伝統の水中運動会『竜城祭』
1970年代に創業者である大森國臣氏の発案で始まった『竜城祭』は、今年で48回目を迎えた。単なる水泳の記録会ではなく、水の中でしかできない挑戦を通じて子どもたちに楽しさと成長を届けたいという想いのもと、長年にわたり地域の夏の風物詩として親しまれてきた。コロナ禍の影響もあり6年ぶりの開催となった今回、子どもたちの笑顔がプールいっぱいに広がる光景が見られた。

活気あふれるプールに94名の小学生が集結
当日は、小学1年生から6年生までの94名が参加。赤組と白組に分かれ、プールを舞台にした競技に熱中した。 なかでも浮力に負けずに玉を投げ入れる水中玉入れや、バタ足で波を起こしてボールを押し合うバタ足ボールゲームは、プールサイドの観客からも大きな歓声が上がった。 「玉入れが楽しかった」「ビート板をたくさん集められた」と参加した子どもたちからは喜びの声が聞かれ、競技の合間には指導員も交えた昼食で交流を深める場面もあった。
成長を実感、指導員も喜びの声
普段の練習では見られない子どもたちの新たな一面に、指導員たちも成長を実感した様子。「負けた仲間を励ます姿や、全員で声を出し応援する姿に感動した」「先生と生徒という関係を越え、共に楽しむことで親睦が深まり、今後の指導にもつながる」といった声が上がった。 竜城祭は、子どもたちが楽しみながら挑戦心や思いやりを育む教育の場であることが改めて証明された。
誰もが水を安全に楽しめる社会へ
岡崎竜城スイミングクラブの代表取締役である大森久美氏は、「竜城祭は子どもたちに“水を楽しい”と感じてもらう特別な機会」と語った。学校での水泳授業が減る現代において、水の中で仲間と夢中で遊ぶことの価値は大きい。同クラブは「全ての人に水泳を」「命を守る訓練」というモットーを掲げ、今後も竜城祭を継続開催し、地域社会と連携しながら子どもたちの健やかな成長を支えていく方針だ。
記事/まるスポ編集部