
――試合は棚橋選手をディーノワールドに引きずりこむイメージでしょうか?
ディーノ:実は今回、“世界観勝負”だとは思ってない。シンプルに学生プロレスから私の生きてきた30年間をぶつけるだけ。その気持ちだけで…さっき発表されて1時間経ってないぐらいだけど、そこでずっと考えている。
もちろん、棚橋弘至に勝つつもりではいるんだけど、それを超越して30年間の思いをぶつけた結果、どうなるのかは分からない。今はぶつけることが目的、ここから時間が経てば勝ちたい気持ちが生まれてくるんだろうけど…
言うなれば“業界のトップ”である新日本プロレスで20年以上プロレス界を引っ張ってきた男に、同じ時代を全く別の価値観で生きて、ここまでやってきた私をぶつけたい。
棚橋さんが私のことをどう見ているかはわからない。だから試合で伝えないといけないと思っている。
現在、棚橋さんが48歳(1976年11月13日生まれ)私も48歳になりました(1977年5月18日生まれ)。同じ時代を生きてきたけど道のりが全然違う。その私が生きてきたものを本当にぶつけたい気持ちでいっぱいなのよ。
――学生プロレス時代、棚橋選手とは接点があったのですか?
ディーノ:全くない。私が一方的に知っていた。
――年月が経って追いつきましたね。
ディーノ:この言い方をすると、また荒れるから言いたくないんだけど、私は横一列には見てなくて、常に斜め上から行きたい。
ここまで棚橋さんが歩んだ道ではなく、“けもの道”を通って来たつもりでいる。その自分と棚橋さんが同じリングで戦うまで30年かかったんだなって。厳密に言うと26〜7年だけどね。