
「大和ハウスプレミストドーム」を運営する札幌市の第三セクター・札幌ドームは新社長を迎え、”第二の創業“をスタートさせた。
6月23日、前社長の山川広行氏が退任し、新たに阿部晃士氏が就任したことを発表した。
阿部新社長は札幌大学経営学部を卒業し、日本交通公社(現JTB)に入社。香港やオーストラリアの現地法人社長などを歴任し、JTB北海道広域代表も務めていた。
同ドームは25年度3月期決算で、純利益が4200万円の黒字であると発表。
日本ハムが北広島市のエスコンフィールド北海道に移転した初年度は約6億5,000万円の赤字を出していたが、2年目にして黒字転換となった。
稼働率は70.4%で、前期の62.6%から大きく改善。
これらの要因はネーミングライツ契約に加え、大型コンサートや「eスポーツ」の国際大会といったイベント開催数が増えたことが挙げられた。
23年に約10億円を投じて巨大暗幕で場内を仕切る「新モード」を導入したが、コンサートの開催日数が6日だったため、阿部社長は「2桁にしたい」と考えを明かしている。
ただ一方で、札幌市の「スポーツ振興基金」を活用しており、その基金を通じて補填されたことから、決して楽観視はできない状況と見られている。
なお阿部社長は、より多くの市民・道民の利用を促進するため、アマチュア大会への利用料減免は続ける方針であるとも述べている。
札幌市の秋元克広市長は定例記者会見時に、阿部社長について「幅広いネットワークを持ち行動力もある方なので、ドームの新たな展開につなげてほしい」と期待を寄せる。
阿部社長は「抜本的に営業の見直しをしたい」とも述べており、「第2の創業期という意気込みで再成長させたい」と強い想いを表明した。
今年1月〜2月に開催されたeスポーツの世界大会が、26年・27年も開催されることが決まるなど追い風も吹いている。
阿部社長は今後ドームをいかにして発展させていくのか。その手腕が注目される。
記事/まるスポ編集部