
27日に行われたヤクルトー中日(神宮)でまたもや判定で混乱が起きた。
問題の場面は中日が1点を追う8回表、1アウト1塁で打者・川越誠司が放った打球はスタンドへと届く右翼ポール際への大飛球。本塁打かと思われたが、審判のジャッジはファウルに。
驚きでベンチから首脳陣らが飛び出し、井上一樹監督も手を振りながら苦笑いも交えリクエストを要求した。
ビジョンでは打球の映像がスローで流れ、中日ファンから大歓声がわき起こり、本塁打へと覆る瞬間を一声にして待ち侘びた。しかし、審判は両手を広げてファウルのジャッジ。
三塁側から左翼席にかけて竜党の怒号が包む中、すかさず井上監督は再びベンチを飛び出す。リクエスト後の抗議はできないことを承知で山路哲生球審へと向かいやりとりを交わした。
山路球審は手で制止するように説明し、井上監督は到底納得できない様子でベンチへと引き下がった。
川越の打球が本塁打となっていれば逆転2ランだったが、試合は1−2で中日が敗れた。4回にはその川越がタイムリーエラーを犯してしまっていただけに、何とも皮肉な結果となってしまった。
試合後、指揮官は「『間違いなく(ポールを)巻いてる』っていう確信があった」と悔しさを滲ませながら語った。
リクエスト後に審判へ抗議できないことは当然自身も理解している。
「(審判からは)『あんまり言うと退場になりますよ』みたいなこと言われたけど、いやいや、『退場が怖くて言わん監督とかおらんやろ!』って。それは必死にならない方がおかしい」と、引き下がるわけにはいかなかった。
その後もMLBで行われている映像判定専用の人員を配置するなども意見の一つに挙げた井上監督。球団はNPBに意見書を提出する予定である。
なお、この試合の敷田直人責任審判は「ホームランの映像が確認できませんでした」とファウルとした根拠を説明した。
3日前の阪神戦(バンテリンD)でも物議を醸すジャッジが起きていた。
9回表に打者・渡邉諒への投球時にボール判定で腕を上げる仕草を見せた際に井上監督が抗議。一方、中野拓夢の打席では微妙なストライクの判定で見逃し三振となり試合が終わっていた。
藤川球児監督が「正直、納得できないですね」と苦言を呈したこともあり、翌日に審判団が両監督へ謝罪する出来事があった。
中日にとっては敗戦に直結するとも言える場面だっただけに、井上監督の悔しい表情がより際立っているように見えた。
記事/まるスポ編集部