
DDTプロレスリングのリングに立つ男、彰人。かつてはCyber Fight取締役として“裏方”のイメージが強かった彼が、今、レスラーとして再び脚光を浴びている。5月のKING OF DDTトーナメントは4年ぶりの出場、そして6月には高鹿佑也とのタッグでKO-Dタッグ王座に挑戦。これらは決して意図的な動きではなかったと語る彰人だが、その胸中には明確な変化が芽生えていた。「自分が良くなることでDDTも良くなる」――。裏方として積み上げた自信がリング上にも波及し、DDTの未来を担う存在へと変貌を遂げた彰人の“今”に迫ります。(取材・文/大楽聡詞)
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表舞台への回帰と「育てる」意識
――彰人選手はサイバーファイト取締役として“裏方”のイメージが強かったのですが、5月のKING OF DDTトーナメント出場や6月高鹿佑也選手と組んでKO-Dタッグ挑戦など、レスラーとしての活動が表立ってきた気がします。
彰人:自分からガツガツ行かないだけでチャンスがあれば、タイトルマッチも戦いたい。そのためのコンディションもキープしていますし、やりたいと思っていました。
5、6月に自分がフューチャーされるタイミングがたまたまあっただけです。意図的に「そろそろ動こう」とかはなかったです。
ただ以前は「自分がベルトを取りたい」というのが自分の原動力でしたが、今は「後輩を育てるために自分が動くこと」を意識しています。
若手の中で1番気にかけているのは高鹿。ですから後輩を育てる意味でも「自分がもっと前を走らないと」って感じですね。