【DDTプロレス MAO(前編)】~今だからこそ必要。MAOが追い求める“UNIVERSAL”の意義~

辛かったコロナ禍の2年間を乗り越え、飛躍した「The37KAMIINA(サウナカミーナ)」と、予測不能のタッグチーム「しゅんまお」、そしてシングルプレイヤーとして大きく進化した「MAO」。2年前からの心情の変化や、後輩・中村圭吾に対する想い、そしてハリウッド大会の裏側で起きた珍道中を赤裸々に告白。また5.3横浜武道館「MEGA MAX BUMP 2023 in YOKOHAMA」で王者・遠藤の持つDDT UNIVERSALタイトルへの挑戦を前にMAOが切望する“UNIVERSAL”へのこだわりを打ち明けてもらった。

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“MAO”を突き詰めていく

――初めてMAO選手に取材したのが2021年8月。その時『今は洗練されすぎてしまった気がしている。悪い意味ではなく「気持ち悪さ」という違和感を大切にしていきたい。そのほうがお客さんの印象に残ります』とおっしゃっていましたが、あれから2年が経過しました。今の心境の変化を教えてください。

MAO:あの時から1周回ってまたぐちゃぐちゃになっているんですよ。当時、イギリス遠征から帰ってきてコロナ禍。「綺麗なプロレス」を自分の中でチャレンジしていた時期だったんです。でも、やりたいようにやった方がいいなっていうか、そういう考えに縛られないようにはなりましたね。

お客さんがどう見てるかじゃなくて、とにかく“MAO”というものを突き詰めていく。自分にしかできないことがいっぱいあると気づいてから、「他人には真似できないことをやろう」って思っていますね。

――それは2022年3月に初のシングルタイトル”DDT UNIVERSAL王座”を戴冠してからですか? 

MAO:それはここ1年以内。去年12月のD王 GRAND PRIX 2022 the FINAL(以下、D王GP)を戦ったあたりから、とにかく何にもとらわれないようにしようと。

レスラーとしての下地は十分作れたので、多少外れても自分の中のブレないものができた。そこをどんなに自由にやってもブレないこともわかった。D王GPがターニングポイントだったかもしれないです。

年末のD王GPは5戦シングルがあって、全部違う戦いになったんですよ。クリス・ブルックスと場外乱闘を永遠に繰り広げたり、KANONと 緻密なレスリングをしたり、樋口和貞さんには自分を全力でぶつけてみたり。

また火野裕士さんとは自分のルーツというか、自分の好きだったプロレスで全力を尽くして戦った。全ての戦いに同じ内容の試合が一つもなかった。そこで気づいたことが多かったんです。

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