巨人に大型契約でFA加入した甲斐拓也は契約を3年残し楽天へ放出となった(画像はイメージ)
24年巨人の大型補強の目玉だった捕手が、契約を3年残してチームを去る。
巨人と楽天は10月30日、甲斐拓也捕手の金銭トレードに合意したと発表した。日本一を知る男の巨人での挑戦は、わずか2シーズンで幕を閉じた。
甲斐は同年オフ、ソフトバンクから国内FA権を行使し、5年総額15億円とされる大型契約で巨人入り。阿部慎之助前監督が現役時代に背負った「10」を直々に託され、扇の要として大きな期待を集めた。
しかし、入団早々から現実は厳しかった。移籍初年度は68試合で打率.260、4本塁打。期待された交流戦でも勝ちが伴わず批判の矛先を向けられた。
再起を期する今季は開幕を二軍で迎え、一軍出場は13試合・先発マスクはわずか3試合にとどまった。2安打はいずれも決勝本塁打だったが、打率は.100。勝負強さを見せても、継続的な出場にはつながらなかった。
チームでは生え抜きの大城卓三が主戦捕手を担い、岸田行倫・小林誠司もいる捕手陣で、甲斐は居場所を確立できなかった。
今回の移籍について、水野雄仁編成本部長は「せっかく来てもらったんですけど、なかなか出場機会がちゃんとなかったので」と説明。「なんとか良い形で選手がまた今後も活躍できる場をと思って」と、甲斐の今後を考えた決断だったことを明かした。
選手に新たな機会を用意する判断にファンの間では賛成意見が一部あったものの、大型契約で迎えた捕手をわずか2年で他球団へと放出結末は、当初の補強構想との隔たりも浮き彫りにした。
FA移籍先からトレードされた選手は甲斐で9人目だが、在籍2年での移籍はその中で最短となる。巨人から楽天への金銭トレードには炭谷銀仁朗の前例もあるが、契約期間を大きく残した今回の放出は異例の早さだった。
野球評論家の高木豊氏も自身のYouTubeで、大きな注目を集めてFA獲得した甲斐を金銭トレードで送り出す展開は想像していなかったと驚きを示した。
優勝への戦力として迎えた期待と、出場13試合に終わった現実。その落差は大きく、埋められるものではなかった。
一方で楽天は主戦捕手の太田光がFA権行使の意向を示し、去就が不透明となっている。石井一久GMは楽天側から獲得を相談したと説明し、甲斐がソフトバンク時代から培った勝者としての経験を評価。最下位に終わったチーム再建を支える存在として期待される。
大型契約も実績も、定位置を保証する材料には至らなかった背番号10。再びパ・リーグへと戻る甲斐は、楽天で”甲斐キャノン”の価値を示せるか。必要とされた場所で復活を期す。
記事/まるスポ編集部

