超党派の国会議員有志による「水泳議員連盟」が設立された(写真はイメージ)
夏の猛暑が命を脅かすレベルに達し、学校プールの老朽化や維持費の高騰が叫ばれて久しい。こうした時代の波に押されるように、全国の小中学校で水泳授業を廃止・縮小する動きが相次いでいる。
子どもたちが水に触れる機会が失われつつある現代の教育現場に、政治の側から一石を投じる新たな動きが始まった。超党派の国会議員有志による「水泳議員連盟」の設立である。
この議連が掲げる最大の使命は、単なるスポーツの振興ではない。命を守るための「水難事故ゼロ」の実現である。実技指導の完全実施をはじめ、服を着たまま浮く力を養う着衣泳や水難訓練の必修化を目指す。
会長には元五輪相の丸川珠代衆院議員、会長代行には日本水泳連盟会長を務める鈴木大地参院議員が就任する見通しであり、まさに国を挙げた一大プロジェクトとしての布陣が敷かれた。
このニュースに対し、SNS上では「民間プールへの委託が増えるなかで国が動くのは心強い」「着衣泳の必修化は絶対に必要だ」と、水難事故防止の観点から賛同する声が上がっている。
その一方で、「猛暑日のプールはもはやお湯。熱中症対策はどうするのか」「現場の教員の負担をこれ以上増やさないでほしい」といった、現在の教育現場を取り巻く過酷な環境を懸念するシビアな意見も目立つ。
議連の議論は今後、五輪やパラリンピックを見据えた競技力向上策や、国民の健康増進に向けた水泳の活用法にまで広がる見込みである。しかし、彼らがまず向き合うべきは、気候変動やインフラ問題という時代の壁を乗り越え、いかにして子どもたちの命を救う「実践的な泳ぎ」を教育現場に取り戻すかという重い課題である。
記事/まるスポ編集部
