サイン盗み疑惑の歴史と“疑われない振る舞い”(写真はイメージ)
エスコンフィールドで降って湧いた、日本ハム・レイエスを巡る“サイン盗み疑惑”。ソフトバンク・海野捕手の指摘に端を発した騒動は両指揮官の冷静な対応で沈静化したが、野球界においてこのテーマは一度火がつけば容易には消えない劇薬だ。
当然、今回のレイエスも過去の近本光司(阪神)も処分は受けておらず「やっていない」という扱いだが、それでも現場が過敏になるのには理由がある。
プロ野球の歴史を振り返ると、走者の「紛らわしい動き」が両軍の衝突へ発展した例は少なくない。記憶に新しい2021年の阪神・ヤクルト戦では、二塁走者の近本の動きを相手内野手が指摘。これが引き金となり、両軍監督がベンチ前で激しい怒号を交わし合う大騒動へと発展した。
NPBでは1998年の禁止通達以降、取り締まりが厳格化されてきたが、難しいのは「意図的」か「無意識の癖」かというグレーゾーンの判断だ。打者に伝える気がなくとも、リード中の歩幅の微調整やユニフォームを触るルーティンが、極限状態のバッテリーにはシグナルに見えてしまうことがある。
映像解析技術が進化し、あらゆる動きが可視化される現代だからこそ、選手にはフェアプレーの一つとして「疑われないための振る舞い」という高度な意識が求められている。今回の騒動は、グラウンド上の心理戦の凄まじさを改めて浮き彫りにした。
記事/まるスポ編集部
