【6.24DEATH PAIN】デスペラード壮絶死闘に勝利、葛西純と10年後の約束

29分を超える死力を尽くした戦いはエル・デスペラードが葛西純を下しIWGPジュニア王座を防衛した

6月24日、後楽園ホールで行われた『“DEATH PAIN” invitacional』。

IWGPジュニアヘビー級王座、6度目の防衛戦に臨んだエル・デスペラード(新日本プロレス)は、“クレイジー・モンキー”葛西純(FREEDOMS)と「I’m so glad I met you(あなたに会えて良かった)」と題された蛍光灯&ガラスボード+αデスマッチで、“ラストシングル”を迎えた。

葛西純、エル・デスペラードに「死と痛みの祭典」招待状!最後のシングルへ

リスペクトし合う両者は、特別な感情を胸に、29分を超える死力を尽くした凄まじい闘いを繰り広げた。

デスペラードがピンチェ・ロコを炸裂させ、葛西純から3カウント奪取!

試合は蛍光灯チャンバラ、十字架の有刺鉄線、ガラスボードへの雪崩式技、さらにはラダー上での竹串攻防など、想像を超える凄絶な展開に。両者血まみれになりながら、何度もフィニッシュホールドを炸裂するも勝敗は決せず、ついにデスペラードがリバースタイガードライバーからピンチェ・ロコを炸裂させ、激闘に終止符を打った。

試合後、マイクを手にしたデスペラードは、「葛西さん!これが死んでもいい覚悟を捨てて、強くなったエル・デスペラードです!」

と叫ぶと、葛西への感謝、これまで抱えていた葛藤や迷いを吐露した。

「代々木第二でやったときは、精神ボロボロで、メシ食わなくて、このまま死んでもいいやって、冗談抜きで思ってたんです。でも、あんときに生きたくても生きれないヤツらがごまんといる中で、プロレスできてるって、スゲー幸せなんだって、死んでもいい覚悟なんか捨てろって、そう言われてから、今日、タイトルマッチで葛西さん相手に防衛するまでになりました!。本当にありがとうございました!」

2人は10年後、2035年に戦うことを約束

続いて葛西もマイクを握ると、感極まった声で語り始めた。

「デスペ氏よ、オマエだけじゃねえぜ。年齢もキャリアもオマエのほうがずいぶんと下だけどよ、俺っちはよ、オマエみたいな強くて、男気のある男になりたいと思って、今日よりも明日強くなりたいと思って、今日ここまで来れました。今日という日が待ち遠しくて、今日という日が来なければいいなと思って。でも、終わっちまったな!」

感情をこらえきれず、涙声で続ける。

「俺っちはよ、オマエと出会ってから、強くなりてえと思って、ずっと生きてきたんだよ!オマエとサシでやりあえないって、明日から心の中にポッカリ穴が空いて、強くなる気も失せて、どうやって生きていったらいいんだよ!」

デスペラードは「10年後!もう一回、シングルマッチやりましょう!」と快諾した

そう叫ぶ葛西の姿に、場内は大きな拍手と歓声に包まれた。

さらに葛西は、「デスペ氏、最初で最後の俺っちのワガママ、聞いてもらっていいか?葛西純の全盛期は10年後だ!10年後、もっともっとオマエも強くなってるだろ?デスペ氏よ、これが何だかわかるか?『”DEATH PAIN” invi Ⅱ』2035年、後楽園ホール大会の招待状だ!それまでシングルは封印だ、受け取れ!」と赤い招待状をデスペラード差し出した。

10年後のシングルマッチの招待状を、笑い混じりに受け取ったデスペラードは、「防衛したのは俺なのに、すごく負けた気がします。10年後!もう一回、シングルマッチやりましょう!」と快諾。

最後は互いに熱い握手を交わし、再会を誓ってリングを後にした。

デスペラードと葛西の戦いは、勝敗を超えた何かを確かに刻んだ。プロレスとは何か。闘う理由とは何か。そして生きる意味とは。観る者すべての胸に焼きつく、歴史的な一戦となったに違いない。

記事/ミライカ

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