引退試合のパートナー大向美智子と、対戦相手のSAKI&瑞稀
――引退試合のパートナーは大向美智子選手ですね。
遠藤:彼女は全日本女子プロレスで1992年にデビューしたけどケガで引退。その後1993年にLLPWで再デビュー。LLPW時代のライバル。戦ったしタッグも組みました。いつも「大向ちゃんには負けられねぇ」と思ってましたね。
――そして対戦相手はLLPW-X時代の後輩、SAKI&MIZUKI(現在・瑞希)ですね。
遠藤:2人ともアイドルになりたくてオーディションを受けたはずなのに(苦笑)。それが約10年経って2人ともプロレス業界でトップ選手として活躍している。
SAKIはCOLOR’Sのリーダーとして数々のベルトを巻いて、海外でも活動している。MIZUKIは東京女子プロレスで、現在プリンセス・オブ・プリンセス王座とTOKYOプリンセスタッグ王座の2冠王者。
昔、練習中に「なんでアイドルなのに後ろに倒れなきゃいけないんですか?」ってボソッと呟いたMIZUKIが2冠王者として団体の中心レスラーですよ(笑)。
最後に時代を共に歩んだ心強いパートナー、そして立派に成長した後輩たちと一緒に大好きなプロレスがしたい。彼女たちの成長を肌で感じたいですね。
引退に関して
――2023年9月10日後楽園での引退興行を持ってプロレスラーを引退します。
遠藤:もともと引退興行を行う予定はなくて、静かにフェードアウトしようと思っていたんです。それでお世話になった方々に挨拶していたら、WAVEの二上さんに「今まで応援してくれた人にキチンと挨拶しないといけない」と言われました。
――GAMIさん、優しいですね。そういえば、以前、GAMIさんが「遠藤選手に靴の揃え方から何から何まで全てを、同期たちと教えた」と話してました。
遠藤:八王子で寮生活を一緒にさせてもらい、社会人として大切なことを二上さんや先輩から教わりました。今回もですけど(苦笑)。
――ところで今回引退を決断した理由を教えていただけますか?
遠藤:今回、引退するのは親の存在が大きいですね。どうしても、昔とくらべてしまうけど、親も少しずつ出来ない事が増えてきちゃって。
「私がいなくちゃダメだ」と。これまで好き勝手に生きてきたから、今度は親の世話をします。
あと年齢的に昔と同じようにリング上で戦うことができない。ここまでやってきて後悔はありません。そろそろ引退し、別の人生を歩もうと決意しました。
――最後にファンの方々にメッセージをお願いします。
遠藤:これまで33年間応援いただきありがとうございました。残り少ないプロレス人生を全うしている最中です。
私にできることはリング上から皆さんに「遠藤美月のプロレス」を見せること。私は何か大きなタイトルを獲得し記録を残したわけでありません。
ですから9月10日後楽園のリング上で皆さんの「記憶に残る」戦いをしたい。そしてお世話になった先輩や後輩レスラー、スタッフの皆さんに33年間の感謝を伝えてリングを降りたいと思います。これまで本当にありがとうございました。
――遠藤選手、コメントが引退「した」選手のようですよ。まだ9月10日まで期間があります(苦笑)。
遠藤:あっ、そうでしたね(笑)。
<インフォメーション>
9月10日(日)後楽園ホールで遠藤美月引退試合興行を行います!
遠藤美月引退・アイガー昇華記念大会『打ち上げ花火』
◾️遠藤美月引退試合『たくさんの思い出をありがとう』
遠藤美月&大向美智子(特別限定出場)vs 瑞希&SAKI(30分1本勝負)
◾️アイガー昇華試合「永遠に」
アイガー&尾崎魔弓with沖野小百合 vs 志田光&旧姓・広田さくら
チケットの詳細はプロレスリングWAVE公式サイトをご覧ください
遠藤美月 X(旧Twitter)
取材・文/大楽 聡詞 編集/黒澤 浩美
写真提供/プロレスリングWAVE