【DDTプロレス マッスル坂井】複数の顔を持つ、プロレス業界の異端児(後編)

――先日11.9後楽園ホール「まっする3」を、ドラマやアニメを担当したテレビプロデューサーと観戦させて頂きました。彼曰く「これはかなり練習しているはず。出場している選手は通常興行を休んでいるのか?本当に一回だけの興行なのか?」と興味津々でした。

坂井:本当に出場している選手たちは頑張っています。通常のミュージカルでは技は当てずに効果音だけが付きますが、2.9次元ミュージカルでは技が本当に当たっています。ドロップキックも当たっているし、ボディースラムもしっかり受け身の音がする。それなのに、その音をかき消すように大きな効果音をつけるという一見、無駄なことをしています。でもそこにプロレスラーにしか出来ない演劇のようなことをやっている気持ちはありますね。

――通常の興行もある中で「まっする」を行いましたが、どのくらいの練習期間があるのですか?

坂井:一番時間がかかるのは企画です。最終的に僕がまとめますが、選手やスタッフなど、みんなに意見を聞いて、その企画をやってくれるか確認します。

 実際の通し稽古は丸々三日間ですね。でも歌舞伎の公演の稽古や吉本新喜劇もそれくらいの短期間に一気に集中してやると聞いていますので、短すぎるとは思っていません。

――カンペは出てないですよね?

坂井:出てないですよ。11月は「まっする」の一週間前に大田区体育館でビッグマッチがあって、「まっする」の前日にも配信試合の収録がありました。その中で、膨大な量のセリフを覚え、さらには歌やダンスの練習もやり、なんならプロレスの試合のための準備までしなければいけません。毎回やるたびに、これをやり切ってくれる選手たちのポテンシャルの高さに驚かされています。

――そして「まっする4」が、2021年3月に決まりました。どんな内容になりそうですか?

坂井:もちろんこの一年で蓄積されてきたノウハウを生かしつつ、その世界観を踏襲したものになると思います。これまで漫才から始まって2.9次元ミュージカル、そして前回5vs5のグラップリングまで行っていますから、どうしようか悩みますね。ただ次は東京と大阪2公演あって、基本的には同じ内容で行くと思います。

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