今季13試合・2安打に終わっている巨人・甲斐(写真はイメージ)
「甲斐キャノン」はなぜ日本シリーズMVPに?わずか2安打でも頂点に立った強肩の記録
14打数2安打、打率.143、本塁打も打点もゼロ。それでも日本シリーズの最高殊勲選手(MVP)に選ばれた捕手がいる。巨人・甲斐拓也だ。ソフトバンク時代の2018年、打撃成績とは別の数字で頂上決戦に名を刻んだ。「甲斐キャノン」の実績を、当時の公式記録から振り返る。
広島と対戦した2018年の日本シリーズ。甲斐は全6試合に出場したが、安打は2本で、いずれも単打だった。一方、守備では6連続盗塁阻止という日本シリーズ新記録を樹立。ソフトバンクが4勝1敗1分で日本一となり、甲斐がMVPを受賞した。
記録を更新したのは、優勝を決めた第6戦だった。初回1死一塁、広島の田中広輔が二盗を試みる。甲斐の送球に対し、当初の判定はセーフ。工藤公康監督がリクエストを要求すると、リプレー検証でアウトに覆った。これがシリーズ新記録となる5連続盗塁阻止だった。
さらに二回にも強肩を見せた。2死一、三塁で、一塁走者の安部友裕がスタート。甲斐は再び二塁で刺し、連続阻止を6に伸ばした。広島はこの回も得点できず、ソフトバンクは最終的に2―0で勝利した。
この日、先発して6回無失点だったバンデンハークは、甲斐のリードと盗塁阻止への感謝を表明。NPBの公式リポートも、シリーズを通して広島の機動力を封じた甲斐の働きを伝えている。
打撃の記録にも、得点への関わりが残る。甲斐はこのシリーズで3得点、1盗塁、1犠打を記録した。0打点でも、自ら走者としてホームを踏んでいた。
「2安打」と「6連続盗塁阻止」。同じシリーズで残した二つの数字は、甲斐の異なる一面を映す。MVPを獲得した2018年は、打撃成績だけでは伝わらない捕手の実績が、公式記録に刻まれたシリーズだった。


