長良川国際レガッタコースでSPP業務を担当する金野裕輝さん
長良川国際レガッタコースの水上を、ドローンが滑るように飛ぶ――。第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)のローイング競技が9月23、24日の2日間にわたって行われ、ドローンを活用した映像撮影が、新たな観戦体験として期待されている。
同コースで世界選手権級の国際大会が開かれるのは、アジアで初開催となった2005年世界ボート選手権以来。今大会では、撮影用ドローンが水上を進む艇を上空から追い、選手たちの力強いオールさばきや各艇の位置関係、激しい競り合いなどを多角的に捉える。
地上のカメラだけでは伝えきれなかった2000メートルのレース展開を、上空からどのように届けるのか。SPP(スポーツプレゼンテーション)業務を担当する金野裕輝さんに、導入の経緯や撮影の難しさ、映像を通して伝えたいローイングの魅力を聞いた。(取材・文/大楽聡詞)
国内大会でも広がり始めたドローン撮影
「組織委員会の中には、愛知県ローイング協会の職員としてローイング競技に関わってきた皆さんが多く大会運営に携わっています。私自身も以前名古屋市に住んでいたこともありますので、今回のアジア競技大会には是非自身も関わりたい、と考え、SPP業務の入札に参加させていただきました」
金野さんは、SPP業務を担当することになった経緯をそう説明する。
ローイングやカヌーなどの水上競技では、海外の大会でドローン映像を目にする機会がある一方、「日本ではまだ導入例が限られています」と金野さん。
国内では、毎年4月に行われる中日本レガッタや、大阪で行われる西日本選手権、5月に琵琶湖で開催された朝日レガッタなどで、ドローン撮影が実施されており、静岡県浜松市天竜区で開催される全国高等学校選抜ローイング大会でも、金野さん自身が撮影を担当してきた。
「少しずつではありますが、国内のローイング大会でも継続的に活用されるようになってきました」
競技会場でドローンを飛ばす難しさについて、金野さんは「最も難しいのは、法律や飛行許可との兼ね合いです。航空法に基づく手続きに加え、土地や河川の管理者との調整も必要になります」と話す。
「例えば、河川と周辺の陸地では管理者が異なる場合があります。そのため、どの区域を飛行するのか、どのような手続きや調整が必要なのかを一つずつ整理しなければなりません」
さらに、不特定多数の人が集まるイベント会場での飛行には、十分な安全対策が求められる。
「人の上空を飛ばすことには危険が伴うため、簡単に許可を得られるものではありません」
今大会の安全確保については、次のように説明する。
「組織委員会の方と国土交通省、国営木曽三川公園の方と入念な打ち合わせと対策を行いました。離着陸場所や飛行経路等、細かい取り決めと書類の提出行い、最終的に飛行許可が下りたのは、大会が始まる9月に入ってからでした。」
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