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【スポーツとメンタルのコーチ 今井礼子】「将来、プロスポーツ選手を目指したい」と思った時、その思いを満たしてあげたい(第2回)

東京2020パラリンピック カヌースプリント男子VL3日本代表の今井航一選手をカヌーに導いた今井礼子さん。彼女は長年「スポーツとメンタルのコーチ」として子どもを始め、保育士、保護者、そして日本代表選手まで幅広い人に寄り添う。第2回は著者が今回取材を申し込むキッカケともなった「子どもの身体の発達」について。

<第1回はこちら>
――今井さんはコーチ業を始めてから何年くらい経つのでしょうか?

今井礼子(以下 今井):自分の教室「ひまわり運動ひろば」を16年前に設立して、今年3月で27年になります。

――長いですね!ところで以前SNSに「職業コーチ(水泳・パラカヌー・メンタル・子どもの身体の発達)」と記載されていました。この中にある「子どもの身体の発達」はどのように始まったのでしょうか?

今井:夫がパラカヌーで東京2020を目指す前までは子どもをメインに指導していました。以前から公立保育所にプールレッスンで行くことが多かったのですが、先生から色々なお話を伺っている中でもっと大切なものがあると気づきました。そしてたどり着いたのが「子どもの身体の発達」です。

これはトップアスリートになるためにも大切なことで、以前ハンマー投げのオリンピック金メダリスト・室伏広治さんが著書の中で「赤ちゃん時の動きが大切」と書かれていました。生まれてから1年間で赤ちゃんがする発育・発達の動きは、その子の将来の体の動かし方に影響を与えると言っても過言ではないそうです。

最近生後7〜9ヶ月頃にお尻を高く上げてヒジとヒザが伸びた状態でのハイハイである「高這い」をあまりしなくなっています。実はこの動作、将来の体の動きにとても重要なんです。「高這い」は、つま先で床を蹴る動作につながる動きです。

他にも今の子どもに見られる傾向として肩甲帯も未成熟で、鉄棒で逆上がりをする時に床を蹴り上げられなく、上がったとしても上がった姿勢を維持できなくなっています。

水泳教室ではプールサイドに手をついて自分で身体を引き上げてプールから上がれない小学4年生や5年生が多くなっています。つま先の動きが弱いので水泳だと壁を蹴ってスタートができない。昔だと学校で掃除の時間、高這いと同じ格好の「雑巾掛け」をすることで再学習できていましたが、その機会も今は減っています。

水中で「自分の身体だけを頼って動いていきましょう」というのは、はじめは難しいですが、水泳は自分の身体を自分で操らなくてはならないスポーツです。そのため自分の軸をしっかり作る必要があり、重力のある陸上で発達発育の動きを再学習していく必要があります。そこに周囲が気づいて機会を提供することが大切です。実は、自然と成長段階でそれが出来ている子が、運動神経の良い子なんですよ。

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