
――それは昨年末、橋本選手と戦っている時にも感じましたか?
竹下:感じましたね。お互いジャーマンスープレックスが得意というテーマがある中で、いざ試合が始まると、そんなことも考えられないくらい必死になっている自分がいて。
男vs女ではなく、完全にアスリートvsアスリートでしたね。とにかく「体力で負けないようにしよう」と思ったくらい、厳しい試合でした。 打撃vs打撃になった時は体重差は関係するので、僕くらい大きな選手と戦ったことのない橋本選手にはダメージが残ると思います。
しかし、投げ技を掛け合う展開になった時、男性・女性は関係ありません。実際にジャーマンで何度投げても、橋本選手はずっと起き上がってきました。だから本当の意味で「男女の差はないんだ」と感じましたね。女性レスラーの方が、気持ち的なガッツは強いと思いますよ。
――気が強そうな女子レスラーは多いですよね。
竹下:多いです。技を決めても倍返しされますし、平気で頭を蹴ってきたりしますから(笑)。あの気の強さは、男は持っていないんですよ。だから女性と戦って学ぶことは多いので、女子プロレスは良く観ます。その中で女子選手のメンタリティーの部分は参考にしていますね。
――男女の垣根を超えて、吸収できるものは全て吸収しているんですね。そして、いよいよ3月20日は田中将斗選手と一騎討ちですが、現在の心境はいかがでしょう?
竹下:これまで僕は会社や高木社長に、数々の憧れている選手との試合を実現させて頂いてきましたが、僕が憧れていたレスラーで「まだこの選手と戦えてないな」と思う唯一の選手が、田中将斗選手なんです。
「こういう選手に憧れていました」「こういう選手と戦いたいと思っていました」というもの、これが最後かなと思います。田中選手と戦ったら、過去の自分を払拭できるというか、「プロレス少年・竹下」じゃなくなるのかな、と考えます。