NPBはスイング時にバットを手放す行為に、新たな罰則規定を導入する(写真はイメージ)
かねてから懸念されてきた“危険スイング”への対応に向けてついに規則化される。
ヤクルト・オスナのバットが審判に続き捕手にも頭部直撃…SNS上でも「またか」空振りしたバットで繰り返される危険性
NPBは11日に行われた実行委員会で、打者がスイング時にバットを手放す行為に対して新たな罰則規定を導入することを正式に決定した。12日から一軍・二軍すべての公式戦で適用される。
NPBが定義する“危険スイング”とは、「打者がスイング時に最後までバットを保持せず、途中で投げ出してしまう行為」を指し、故意でなくすっぽ抜けたものも含まれる。
新規定ではバットが他者へ接触しなかった場合は“警告”、同一試合で同じ打者が再び危険スイングをした場合は退場処分となる。
打者が投げ出したバットが審判員や選手、ベースコーチ・ボールボーイ・バットボーイに直撃した場合や、当たらなくてもダッグアウト・カメラマン席・スタンドなどのボールデッドエリアに入ったときは“一発退場”となる。
故意か過失かは問われず、「安全配慮を著しく欠く行為」として厳格に運用される方針だ。
背景にあるのは、4月16日に行われたヤクルトーDeNA戦で起きた衝撃的な事故である。ヤクルトのホセ・オスナが空振りした際、手から離れたバットが球審・川上拓斗審判員の頭部を直撃。
川上審判員は緊急手術を受け、一時は集中治療室(ICU)に入る事態となった。現在も意識は戻っておらず、この事故は球界全体に大きな衝撃を与え、安全対策の必要性が急速に高まっていた。
その後もオスナは4月25日の中日戦、8回の打席で空振り三振となった際にそのスイングしたバットを石伊雄太捕手の頭部に直撃させている。
直近では5月10日の中日-巨人戦で中日・木下拓哉のスイングしたバットが巨人の捕手・大城卓三の頭に当たるなど、川上審判員のアクシデント後も危険な事例が後を絶たない。
NPBでは事故後すぐに球審のヘルメット着用を開始。そして今回、“危険スイング”そのものを処分対象とする新ルール整備へと踏み込んだ。
打者にとって今後は技術面だけでなく安全さの意識も強く求められることになる。
豪快なフルスイングが魅力の一つである野球だが、その迫力を維持しながらいかに安全性との両立を図っていくのか。NPBは新たな時代のスタンダードづくりに踏み出した。
記事/まるスポ編集部
