2020年1月4日、新日本プロレス初の東京ドーム2連戦初日。飯伏幸太を下しIWGPヘビー級王座を死守したオカダ・カズチカと、ジェイ・ホワイトを破りIWGPインターコンチネンタル王座を奪還した内藤哲也。この両者が翌5日、史上初の「ダブル選手権」という最高のシチュエーションで激突した。
試合は35分37秒に及ぶ死闘となったが、最後は内藤がバレンティアからディスティーノを叩き込み、劇的な3カウントを奪取。ついに「IWGPヘビー&ICの二冠同時戴冠」という未踏の頂(いただき)に立った。
超満員の観衆が待ち望んでいたのは、内藤によるドーム初の大合唱だ。内藤がリング上で「EVIL、BUSHI、SANADA、ヒロム、鷹木、内藤…」とL・I・Jメンバーの名を一人ずつ呼び上げ、万感の思いを込めて「ロス・インゴベルナブレ〜……」と叫ぼうとしたその瞬間、突如乱入したKENTAが内藤に非情なPKを叩き込んだのだ。
KENTAはぐったりとした内藤に馬乗りになり、あざ笑うかのように2本のベルトを掲げた。ハッピーエンドを期待した3万人の大歓声は、一瞬にして殺気立った怒号と悲鳴に変わる。内藤は自力歩行もままならず、花道ではなく通路からBUSHIに肩を借りて退場。主を失った2本のベルトは、当時ヤングライオンだった辻陽太が抱えて引き上げるという、あまりにも屈辱的な結末となった。
バックステージで、この日後藤洋央紀に敗れNEVER無差別級王座から転落していたKENTAは、不敵な笑みを浮かべてこう吐き捨てた。
「最高だったな。NEVER落としたくらいで終わる俺じゃねえって言ったろ? ……大合唱したかったんだろ、アイツら? させてやったじゃねえかよ、“ブー!”ってな。何が二冠だよ、史上初? やらせるかよ、そんなもん。2020年は俺の年だ!」
