弟レイの欠場に伴い、世界最強タッグ辞退を発表した斉藤ジュン
昨年の「世界最強タッグ決定リーグ戦」で初優勝を成し遂げた斉藤ジュン&レイ(斉藤ブラザーズ)。しかし、今年のリーグ戦には、兄・ジュンが弟・レイ選手の欠場を受けてエントリーを辞退するという異例の事態となった。その決断の真意から、パートナーであるレイの現状、前三冠ヘビー級王者として、斉藤ジュンに耳を傾けた。その言葉の端々からは、兄弟タッグへの揺るぎないプライドと、熱いプロレスラー魂が伝わってきた。(取材・文/大楽聡詞 文中敬称略)
最強タッグ辞退の真実:「俺のパートナーはレイしかいない」
――今年の「世界最強タッグ決定リーグ戦」への不参加は、多くのファンに衝撃を与えました。レイ選手が肩の手術で欠場となる中、他の選手とのタッグでの出場は?
ジュン:「前回の世界最強タッグ覇者が出場しないのはどうなんだ」と意見があるとは思う。だがレイが肩の手術で今年の「最強タッグ」に出場するのが難しいと分かった瞬間に、「じゃあ俺は出るのをやめよう」と決意した。
それは「“斉藤ブラザーズ”と“最強タッグ”はイコールである」という強い思いがあるからだ。もちろん、斉藤ブラザーズとして、他にもミスター(斉藤)やセニュール(斉藤)、あるいは他のメンバーとタッグマッチで組んで闘ってはいる。しかし、「世界最強タッグ」というリーグ戦には、特別な思い入れがあるんだ。
さまざまな団体にタッグのリーグ戦が存在するが、俺は全日本プロレスの「世界最強タッグ決定リーグ戦」が一番だと思っている。昨年優勝したタッグチームが出ないというのは大変なことだとは理解しているが、それでも俺自身の意思は固い。
でもな、世界中探しても「俺のパートナーはレイしかいないから、俺は出場しない」ということを、すぐに会社に話したよ。
――全日本プロレスとしても、大きな優勝候補の枠が一つなくなるわけですから、大きな決断だったと思います。
ジュン:全日本プロレスも、しっかりと斉藤ブラザーズの意見を尊重してくれた。そこは本当に感謝している。
