
KING OF DDTトーナメントに8年連続8度目の出場となった上野勇希は、1回戦でアントーニオ本多と対戦。本多は、首の故障で欠場した高梨将弘の代替出場ながら真剣モードで臨み、上野は辛くも勝利を収めた。続く2回戦ではDAMNATION T.Aの佐々木大輔と激戦を繰り広げ、接戦を制して準決勝進出を果たす。次戦の樋口和貞、そしてその先に見据えるKO-D無差別級王座への思いを、上野に聞いた。(取材・文/大楽聡詞 編集/ミライカ)
――KING OF DDTトーナメント、1回戦はアントーニオ本多選手との試合でした。この試合から振り返っていただけますか?
上野:トーナメントは一度負けたら終わり。今回は本多さんが、高梨将弘選手の怪我による欠場を受けての代打出場でした。記者会見では「お世話になった人への感謝、尊敬、祈りといった、特別な思いを抱えて戦う」と。
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まさにその通りでした。“アントーニオ本多”という個人だけでなく、いろんな人の思いを背負って出場する男に対して、やはり勝たなければいけない。
“自分が優勝してKO-D無差別級のチャンピオンになるためには、彼を止めなければならない”と。その意味でも何より覚悟がいる1回戦でしたね。
実際、体力や強さで勝てるかどうかは別として、「自分の心が勝つ覚悟を持てるか」が大きかった。
もし僕が対戦相手でなければ、本多さんを応援していたと思います。それほど、本多さんの人生をかけた戦いだと感じました。