東京パラリンピックの正式種目「ボッチャ」。赤・青それぞれ6球ずつボールを投げて、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、いかに近づけるかを競うスポーツだ。そのルールから “地上のカーリング”と呼ばれ、年齢・障害の有無を問わず誰でも手軽に楽しむことができる。簡単なルールとは裏腹に、選手のメンタルが勝負を大きく左右する奥の深さも、この競技の魅力の一つだ。今回は「全国ボッチャ選抜甲子園(団体)」で優勝を果たし、2019年日本ボッチャ協会育成強化選手の小川祐太郎選手に話を伺った。
――ボッチャを始めたきっかけを教えてください。
小川:中学生1年生で村山特別支援学校(東京)にきて、最初の体育でボッチャの授業を受けたのが、この競技との出会いです。ボールを見て「こんなスポーツがあるんだ!」とびっくりしましたね。
実際にプレーしてみると頭も使うし、自分が投げたボールが的のジャックボールに寄った時の喜びとか一喜一憂できたので、このスポーツは本当に面白いんだ、と実感しました。
――ボッチャは、使うボールの種類が色々あるんですよね?
小川:はい。スウェードの素材のボールや、牛の革など本革を使ってあるボール、合成皮革のボールと、主に3種類あります。選手によっては、ボールを寄せたいとき、弾きたいときなど場面ごとに使い分けるんです。
――そうなんですね。ボッチャ歴はどのくらいですか?
小川:本格的に始めたのが中学3年生の時からなので、今年で4年目になります。
――約4年間プレーされてきて、小川選手はどのようなところにボッチャの魅力を感じていますか?
小川:局面がころころ変わってくるので、最後まで何が起こるか分からないところです。一球で白いジャックボールの配置が変わったり、赤と青のボールの配置が変わったり。たった一球で局面がガラリと変わるんです。最後の一球で勝敗が決まる、という凄い試合もあるので、本当に最後の一球まで分からない。そこがボッチャの大きな魅力ですね。