【試合結果】7.23両国国技館「WRESTLE PETER PAN 2023」

~スペシャルシングルマッチKONOSUKE TAKESHITA vs上野勇希~
7月23日(日)東京・両国国技館にてDDTによる真夏のビッグマッチ「WRESTLE PETER PAN 2023」が開催された。この大会では、メインイベントKO-D無差別級選手権試合
<王者>火野裕士 vs クリス・ブルックス<挑戦者>をはじめ、豪華全12試合が行われた。その中でも注目カードの一つが、第九試合スペシャルシングルマッチのKONOSUKE TAKESHITA vs上野勇希の同級生対決。

上野勇希と竹下幸之介は高校の同級生。竹下の戦う姿に感銘を受けプロレス界に入った上野。DDTを代表するユニットThe37KAMIINA(サウナカミーナ)のメンバー同士。現在、竹下はDDTとAEWの日米2団体所属選手として活躍中。今年3月、2人は、DDTのアメリカ・ハリウッド大会『DDT goes HOLLYWOOD!』でシングル戦を行い、竹下が勝利。その後、AEW参戦中の竹下はブラックプール・コンバット・クラブに加入し「ヒール」へと転向。今回のカードは「KONOSUKE TAKESHITA」と表記された。

7月22日の大会直前記者会見で、二人は心境を語った。
最初に、上野は「どうも、The37KAMIINAの上野勇希です」と挨拶をしたうえで、「両国大会という出し惜しみの出来ない大会で、自分が出し惜しむことなんかできないカードで試合ができるってのは、すごく楽しみです」と。そして、「試合が終わればタケがThe37KAMIINAなのかどうなのか、答えはだしてくれることでしょう」と続けた。

一方、竹下(TAKESHITA)は黒い服装に身を包み、サングラスをして登場。「まず、最初言っておきたいのは、竹下幸之介もKONOSUKE TAKESHITAも別に一緒。ファイトスタイルも戦い方も何一つ変えてないし、DDTにいた時の強い竹下幸之介のまま戦って、そして今はケニー・オメガを倒す、っていうその目標のために動いてるだけ」と口にした。

そして、「俺が逆に答えをもう出して、アメリカにいるわけで、アメリカで答えを見つけてるから。答えを出すべきなのは、この横にいる上野勇希だと思う」。さらに「成長、進化っていう言葉では片づけられないくらいステップアップ、ここ数ヶ月だけでもしているんで。彼(上野)は進化しているようには見えない。その差は広がる一方だ。まあ、凄惨な試合になるかもしれないですね。そういう意味では」と暗雲が立ち込める気配。

それに対して上野は、「強さとか進化とかそういうものは試合をしてから言ってくれよ、という気持ちがあります」と苛立ちを隠しながらも冷静に話した。

そんな、すれ違いを見せた2人ではあるが、リング上で通じ合うことはできるのだろうか?

試合開始すぐに上野がドロップキック、ハーフネルソンスープレックスホールドを仕掛けるも、カウント2。上野の強烈なエルボーをくらったTAKESHITA。しかし場外で上野にDDTを炸裂。表情を変えず全く慌てるそぶりがないTAKESHITA。さらにサーフボードストレッチで上野を苦しめる。

5分経過し、上野は体力の消耗が激しいにも関わらず、目つきは鋭く闘志に燃えた表情に変わっている。ヘッドシザーズ・ドライバーでTAKESHITAに大きなダメージを与えた。しかし、AEWで活躍するTAKESHITAはパワーだけでなく、回復力も早く、すぐに立ち上がる。

花道のTAKESHITAに対して上野はムーンサルトアタック。だが、上野を捕まえたTAKESHITAは、クッションのない花道に人でなしドライバーで打ち突ける。「ベッチャ」という鈍い音が会場に響く。
コーナートップに座ったTAKESHITAは上野を持ち上げ、強烈なブレーンバスターを見舞い3カウント。

12分53秒の戦いを制しKONOSUKE TAKESHITAが勝利を飾った。

試合直後リング上で、TAKESHITAが右手を差し出し握手を求めた。上野はふらつきながら立ち上がり、その握手に応じるかと思いきや、セコンドの小嶋斗偉がそれを阻止。TAKESHITAは出した手を引っ込めリングを後にした。

試合後、上野はバックステージで…

「DDTを背負って僕がDDTを超満員にする。その先に、自分がどうとか関係ないので。それは上野がどうとかじゃないんで。僕がやりたいのはDDTを超満員にすること。強くならないとこの選手について行こうってならない。DDTを超満員にするってことは強くなることだし、いろんな人にDDTを伝える人間が出来ることだ。今日も負けて、強くなるにはどうするのが良いんでしょうね」と机をたたきながら気持ちを吐きだした。

そして、TAKESHITAは、試合直後で息を切らしながらも
「観てもらった通りです。上野勇希、KO-D無差別のベルトを巻きたいなら、DDTのトップに立ちたいなら、今まで通り黙って俺についてこい」と余裕のコメント。

全試合終了後、モニターにエンドロールが流れ、突然バックステージの通路で座り込む佐々木大輔が映り出された。そこへ現れたのがKONOSUKE TAKESHITA。佐々木が手を差しだし、なんと二人が握手。この握手の意味は何なのか?会場がざわめいた。

そして、その後のコメントで、KONOSUKE TAKESHITAは、「DAMNATIONには入る気はない。でもアメリカに居てもDDTでは俺はThe37KAMIINAに心は残していたつもりだけど、彼らにとっては今の俺は必要ない。僕はそう受け取った。それなら、佐々木大輔と共闘して、The37KAMIINA、お前たちの対角線に立つ。以上」と言い放った。The37KAMIINAと竹下幸之介の間に亀裂が入ってしまったのか…!?

7月30日(日)後楽園ホール「Summer Vacation 2023」にKONOSUKE TAKESHITAは参戦が決まっている。そこでなにかしらの動きがあるのだろうか。

目次

全試合結果

【大会名】WRESTLE PETER PAN 2023
【日時】2023年7月23日
【会場】東京・両国国技館
【観衆】3465人(満員)

▼オープニングマッチ 30分一本勝負
○正田壮史 vs 須見和馬●
6分48秒 片エビ固め
※正田のチカラKOBUムキムキ

▼第二試合 30分一本勝負
高木三四郎&○川松真一朗&夢虹 vs 高梨将弘&小嶋斗偉&瑠希也●
8分30秒 体固め
※下町ロケット

▼第三試合 3WAY6人タッグマッチ 30分一本勝負
土井成樹&大鷲透&平田一喜 vs 藤田ミノル&MJポー&○KANON vs 鈴木鼓太郎&岡田佑介&高鹿佑也●
11分45秒 片エビ固め
※ベトナムドライバーⅡ

▼第四試合 30分一本勝負
○飯野“セクシー”雄貴&男色“ダンディ”ディーノ&今成“ファンタスティック”夢人 with カチキレ久弥 vs 彰人●&高尾蒼馬&下東由朋 with ブチギレ氏原
9分42秒 片エビ固め
※セクシー・キャノン

▼第五試合 スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負
○ちぃたん☆&ポコたん vs アンドレザ・ジャイアントパンダ&スーパー・ササダンゴ・マシン●
11分50秒 体固め
※ちぃ☆ポコトリガー

▼第六試合 KO-D6人タッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>樋口和貞&中津良太&●石田有輝 vs 坂口征夫&赤井沙希&岡谷英樹○<挑戦者組>
9分27秒 片エビ固め
※ダブルアーム・スープレックス。ハリマオが初防衛に失敗、Eruptionが第52代王者組となる。

▼第七試合 スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
●TAKAみちのく vs MAO○
13分11秒 片エビ固め
※フェニックス・スプラッシュ

▼第八試合 スペシャルタッグマッチ~納谷幸男復帰戦 30分一本勝負
HARASHIMA&●納谷幸男 vs 秋山準&入江茂弘○
13分25秒 体固め
※ビーストボンバー

▼第九試合 スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
○KONOSUKE TAKESHITA vs 上野勇希●
12分53秒 体固め
※コーナーへのブレーンバスター

▼第十試合 DDT UNIVERSAL選手権試合 60分一本勝負
<王者>●遠藤哲哉 vs マット・カルドナ○<挑戦者>with ステフ・デ・ランダー
15分43秒 片エビ固め
※レディオサイレンス。遠藤が2度目の防衛に失敗、カルドナが第11代王者となる。

▼セミファイナル 株式会社メキシコ観光 presents ドラマティック・ドリームマッチ 30分一本勝負
○エル・デスペラード vs 佐々木大輔●
20分32秒 ヌメロ・ドス

▼メインイベント グッドコムアセット presents KO-D無差別級選手権試合 60分一本勝負
<王者>●火野裕士 vs クリス・ブルックス○<挑戦者>
21分4秒 片エビ固め
※プレイングマンティスボム。火野が3度目の防衛に失敗、クリスが第81代王者となる。

<インフォメーション>
チケット等、詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。
試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEでお楽しみください。
DDTプロレスリング Twitter

文/黒澤浩美  写真提供/DDTプロレスリング

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