
ノアインドアステージ株式会社が運営する『テニススクール・ノア』は、小学生の子どもを持つ親を対象に、テニスに触れる機会(体験機会)についてアンケートを実施。その結果、すでに子どもにテニスを習わせているスポーツ好きの親の約6割が、「現在の小学生にとってテニスを体験するチャンスが足りていない」と感じていることが判明。日本人選手の活躍でテニスへの注目が集まる一方で、実際にやってみる場所が不足しているという、テニス普及における深刻な問題点が明らかになった。

テニス習得層の親が抱えるジレンマ
今回の調査で明らかになったのは、テニスに熱心な親たちの危機感。
現在テニスを習っている子どもの親に、「現在の小学生がテニスに触れる機会について」どう思うかと聞いたところ、最も多かったのが「不足していると思う」で42.0%。
これに「とても不足していると思う」の16.2%を合わせると、58.2%に達する結果に。
テニスを習わせているのだから満足しているはずと思われがちだが、そうではない実態が判明した。
自分の子どもだけでなく、広く小学生全体を見て、「もっとテニスを楽しむ機会が必要だ」と強く感じている親が多いことを示している。

多くの小学校にテニス部がない
なぜこれほどテニス体験の不足感が生まれるのか。その背景には、小学校のスポーツ環境が大きく関わっている。
子どもが通う小学校のクラブ活動や課外活動にテニス関連の活動があるかを尋ねたところ、「ない」と答えた親が47.8%と約半数近くにのぼる結果に。学校でテニスを体験する場がほとんどないのが実情だ。
野球やサッカーなど学校のグラウンドで気軽にできるスポーツと異なり、テニスはコートや専門の道具が必要なため学校で導入されにくい傾向にあるという。

普及への鍵は?
「子どものテニススクールに関する情報を、どのように収集したか」を尋ねる設問への回答では、1位が「体験レッスン/見学」で57.3%、2位が「知人・友人の口コミ」で49.7%、3位が「インターネット検索」で49.4%という結果に。
無料で参加できる体験イベントの拡充や、学校と連携した簡単なテニスプログラムの提供など、「誰もが一度ラケットを握れる機会」を増やす取り組みは、テニスの魅力を広く子どもたちに伝えるための入り口となるだろう。
小学生という運動能力が伸びる時期に多様なスポーツに触れることは子どもの成長に不可欠。テニスの楽しさを広く伝え、将来のテニスファンや競技者を育てるための積極的な体験機会の創出が今後の大きな課題だ。
記事/まるスポ編集部