
甲子園で行われた伝統の一戦は、一点を争う中で波乱を迎えた。0-0の8回裏、2アウト一・二塁の場面。
大山が放った遊撃への打球が泉口の肩に当たり大きく弾むと、二塁の吉川がすかさずキャッチ、本塁へ送球した。二塁走者の森下がホームにスライディングしクロスプレーに。
捕手の甲斐がタッチに行き、球審は一度アウトの判定を下した。すると阪神の藤川球児監督がリクエストを要求し、判定がセーフに覆った。
巨人の阿部慎之助監督がその後抗議したとして、就任初の退場となった。リクエストの判定後には抗議できないルールに則っての処分だった。
なお、巨人の監督が退場になるのは1974年の川上哲治監督以来51年ぶりのこと。
その後試合は二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチが監督代行を務め、結果はこの一点が決勝点となり巨人が首位阪神に連敗となった。
阿部監督は試合後、「抗議してはいけなかったのですが、思わずしちゃいけないことをしちゃったんで、申し訳ないです」とコメント。
ベンチからは投手交代で出ており、その際に会話を重ねていたことから抗議と判断された。
「必死にやっている選手がいて。自分を失って、ちょっと熱くなっていってしまった。アンパイアにも選手にも申し訳ないなと思います」と謝罪しており、リクエスト後の抗議については理解をした上で行っていた。
捕手の甲斐も、「全然タッチしている。絶対タッチしてます。どこでどうセーフになったか、間違いなくタッチはしてます」と確信を持ってのプレーだったことも明かしている。
今季はリクエスト後に監督と審判がやりとりしたケースも存在する。
5月27日ヤクルトー中日(神宮)で中日・川越誠司が放った本塁打性の打球がファールとなり、リクエスト後も判定が変わらなかった際に井上一樹監督が再度審判の元に飛び出し言葉を交わしていた。
その際は「(審判からは)『あんまり言うと退場になりますよ』みたいなこと言われたけど、いやいや、『退場が怖くて言わん監督とかおらんやろ!』って」と退場覚悟のうえだったと話していた。(結果退場にはならず)
この試合では特に一点を争う手に汗握る展開だっただけに、皮肉にもこのプレーが勝敗を分けるものとなった。
記事/まるスポ編集部