
18日まで甲子園で行われた阪神ー広島との3連戦。ここで話題になったのが、広島・新井貴浩監督と阪神・藤川球児監督とのやりとりだった。
というのも初戦と2戦目の試合前、メンバー表交換では両者に険悪な雰囲気が流れていた。
きっかけはこの前の同カード3連戦最終戦にさかのぼる。4月20日に同じく甲子園で行われた一戦で、8回裏に広島のルーキー・岡本駿が投じた球が阪神・坂本誠志郎の頭部へ直撃する死球となった。
その際に激怒した藤川監督がベンチから飛び出して広島サイドに強い口調で向かって行き、死球を受けた坂本が止めに入るなど、両軍入り乱れる事態が起きた。
今カードの初戦は新井監督が藤川監督に目も合わさず、審判との握手を終えるとすぐに戻ったのに対し、2戦目は逆に藤川監督が同じような対応をとっていた。
このやりとりにファンから「明日はハグか?ハイタッチか?」「上島竜兵さんと出川さんがやってたキスか?」などと、コントのような結末を期待する声が挙がっていた。
そして迎えた3連戦の最終戦。注目のメンバー表交換は両者目を合わせてがっちりと握手。球場もその場で沸き、ネット上でも「お互い打ち合わせしてたんじゃない?」などと、大きな反応を見せた。
新井監督は試合後初めてこの件に言及。
「こちらとしては謝罪をしていたんだけど、ああいうふうに来られたら自分もチームを預かる者として、年長者として腹に据えかねるものがあった」
と元チームメートで後輩だった敵将への意図を明かした。続けて、
「いつまでもとは思っていなかったですし、私が取った行動に対して不快に思われた方とか、心配してくれたファンの方には申し訳ないと思っている。もうこれで終わりです」
と、これ以上引っ張ることはしないと名言した。
一方、藤川監督は「ここでお話することではないし、質問に上がること自体が会見としてはふさわしくないんじゃないかな」とこの件に触れることはしなかった。
新井監督が阪神に移籍してから7年間、猛虎の4番と守護神として何度も共に勝利を味わってきた両指揮官。今後は遺恨を残さず、グラウンドで真剣勝負をまた繰り広げていく。
記事/まるスポ編集部