
5月10日、新宿FACEで「KING OF DDT 2025 2nd ROUND」が開催された。6日の後楽園大会で勝ち上がった8名が、5月25日・後楽園大会の準決勝進出をかけて闘う。
セミファイナルでは、納谷幸男 vs KANONの一戦が組まれた。これまでのシングル戦ではKANONが全勝。「今年に賭ける」と話す納谷は、KANONという壁を乗り越えて優勝、そしてKO-D無差別級王座戴冠を目指す。
KANONは2月にヒールユニット「DAMNATION T.A」から追放され、MAOと「ストレンジ・ラブ・コネクション(S.L.C.)」を結成。新たな景色を開拓しようと模索する中、この試合に臨んでいた。

試合は両者が激しくぶつかり合い、鈍い衝突音が会場に響く。先に圧倒したのは納谷。KANONの腹部を膝で蹴り上げ、逆片エビ固め。苦悶の表情を浮かべるKANON。
その後、強烈なラリアット合戦では両者がダブルダウン。KANONのスリーパーホールドに納谷は意識を飛びかけるが、必死のロープエスケイプで会場を沸かせる。「負けるか!」と納谷は力を振り絞り、渾身のエルボー。
KANONはミサイルキックを連発しフォール。納谷はこれを返し続けるも、最後はKANONのLONELY DESIRES(ロンリーデザイアーズ)が炸裂、3カウント。KANONが準決勝進出を決めた。

敗れた納谷は悔しさにリングを叩いて退場し「言うことねぇよ。動かねぇと。動くからちょっと待ってろ。」とコメント。別の方法でKO-D無差別級王座への道を模索する姿勢を見せた。
勝利したKANONは「納谷幸男、強かった。あんたが会見のときに言った “DDTに俺がいる” って、その通り。DDTのヘビー級は、納谷もいるし、樋口和貞もいるし、そして俺もいます。俺のことも忘れないでください。また大事な場面でやりましょう。楽しかった。」 と語り、ライバルとしての納谷を認めた。
準決勝で待つのは因縁の相手・岡谷英樹。岡谷は昨年3月のシングル戦でKANONと戦い負傷し、長期欠場。今年2月に復帰すると、KANONをダムネーションから追放し、自らが加入した。
KANONは「俺は後楽園でやられっぱなしだからよ、アイツ “だけ” はブッ殺してやるからな!…なんて言わないですよ。“LOVE” で満たされたKANONが、岡谷英樹もまるごと包み込んで、天国のような地獄に叩き落とします。」 と穏やかな表情で闘志を燃やした。
果たして、勝利の女神が微笑むのはKANONか?岡谷か?
<インフォメーション>
5月25日(日)は後楽園ホールで「KING OF DDT 2025 FINAL!!」が開催。準決勝でKANON選手は岡谷英樹選手と対戦します。詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEでお楽しみください。
文/藤本桃子