
5月4日プロレスの聖地、後楽園ホールにて「Marigold Rising Spirit 2025」が開催。メインイベントではスターダムを退団した岩谷麻優と、24日代々木にて引退を迎える高橋奈七永が激突。両者は25分を超える死闘の末、岩谷が初陣を飾った。
岩谷麻優は、2011年スターダムの旗揚げ戦でデビューし、2015~16年にシンデレラ・トーナメント連覇。2017年には史上初の“赤白2冠王者”(ワールド・オブ・スターダム&ワンダー・オブ・スターダム)に君臨。2019年WOH世界王座獲得し、2023年にはIWGP女子王座を初戴冠。数々のタイトルを手にした”スターダムのアイコン”と呼ばれる。
高橋奈七永は、1996年全日本女子プロレスでデビュー。2004年WWWA世界シングル王座を獲得するも怪我によりベルトを返上。2006年には再び王座を奪回する。のち、スターダムの旗揚げに参加し初代ワールド王座を獲得。約4年在籍後、新団体「SEAdLINNNG」の設立と退団を経て、2024年マリーゴールドの旗揚げに参加。”パッション”を合言葉に情熱的な戦いでファンを魅了する。
2人の一戦は岩谷のマリーゴールドの入団とともに決定した。
4月27日、岩谷はスターダムIWGP女子王座戦で朱里に敗北した翌日、退団を表明。その3日後にはマリーゴールド入団会見を行い、初戦の相手として高橋奈七永とのシングルマッチが発表された。
両者の対戦はスターダム時代から実に13年ぶりとなる。
試合前、奈七永は自身のアメブロにて岩谷についてこう綴った。「まゆの存在感がでかくなってるのももちろん知ってるけど、思い出すのは18歳のまゆ。いまここで出逢えたことをそしてそれが最後になることを私はどんな闘いで表現するのか、自分でも今はまだわからない。」
一方、岩谷は入団会見で「奈七永さんとのシングルはデビューして3戦目のパッション注入のとき以来。あのときは奈七永さんの入場曲を聞いて、怖くて涙して、本当にダメダメだった自分ですけど、今の岩谷麻優は強いんで。奈七永さん、成長した姿を楽しみにしといてもらえたらなと思います。」と話す。
試合は、予想のつかない展開にファンが固唾を吞んで見守る中、ロックアップの力比べからスタート。パワーでは奈七永が上回るが、岩谷は真っ向から立ち向かう。
岩谷は奈七永の執拗な足攻めに苦しみながらも、隙をついてバカタレキック、ドロップキックで反撃。そして戦いは場外へ。岩谷は奈七永に観客席の間を引きずり回されると、遂には奈七永のエルボーで吹っ飛ばされ、階段から転げ落ちる。
だが、岩谷の闘志の炎は消えない。ビンタ合戦を制した岩谷はトップロープからのミサイルキック、フラッグスプラッシュを奈七永の身体に打ち込む。階段から転げ落ちた者とは思えぬ姿に観客の声援がヒートアップする。