
5月18日大田区総合体育館で、「チャンピオンカーニバル2025(CC)」が開催。ヘビー級選手18名が揃い、2ブロックに分かれて頂点を争うシングルリーグ戦はいよいよ決勝戦。進んだのはAブロック2位の宮原健斗とBブロック2位の斉藤レイ。
宮原はCC2024の優勝者。会見では「たくさんのファンが “2連覇してください” そんな言葉をもらいました。」とファンの応援を糧に当日に臨んだ。
「10分以内に仕留める」と意気込んだ準決勝では、本田竜輝の勢いに押されながらも横十字固めで本田を丸め込み、9分53秒、宣言通りに決勝進出。
一方のレイは初戦から3連続黒星だったが諦めずに追い上げ、準決勝進出。会見では「最後にあのどデケぇトロフィーを手にして美味いビールを飲んでやるぜ!」と意気込んだ。
準決勝の相手は「“斉藤ブラザーズ” でなく “斉藤レイ” 個人の本質を引き出す」と語る鈴木秀樹。入場直後に鈴木のスリーパーホールドで落とされるも、試合開始後、大相撲仕込みの怒りの突っ張りが炸裂。1分49秒、強烈なビンタで鈴木をKO。 “本質” を見せつけ決勝に進んだ。
決勝戦は、場外でレイが宮原を鉄柵に投げ飛ばして先攻すると、宮原は昨年負傷したレイの右腕を徹底的に攻めて反撃。
レイのスリーパーホールドに宮原が崩れ落ちる。意識遠のくもロープブレイク。今度は宮原がレイにスネークリミット。起き上がろうとするレイを宮原は絞るが、レイの力技でエスケイプ。
レイがチョークスラムやBBQボムを放てば、宮原はジャーマンスープレックスやブラックアウトを見舞う。フィニッシュ技連発に2人は肩を上げ続け、会場の熱気は最高潮。激闘の末、最後はレイのBBQボムが決まり、初優勝を飾った。
レイは「開幕戦から3連敗。だが、俺は俺自身を信じていた。素晴らしい結果に繋がったこと、最高に嬉しいぜ!一緒に信じ続けてくれたお客さん、礼を言うぜ。」と感謝。
続けて「俺は今日勝ったくらいであんたを超えたとは思っちゃいねぇ。宮原健斗、あんたは最高のレスラーだぜ。」と宮原を称えた。
トロフィーを手にしたレイは念願のビールを用意すると、「斉藤レイは、プロレスラーになって、よかった。この全日本プロレスに入れて、よかった!」とマイク。大歓声のなか大会を締めた。
3連敗があったから、鈴木に “本質” を引き出されたから、 “斉藤レイ” として強敵・宮原を制すことができたのではないか。そして6月1日、仙台大会で対峙するのは三冠王者・兄のジュン。“弟” から “斉藤レイ” へ。そして “王者” へと物語を変えることはできるか。
<インフォメーション>
6月1日(日)、仙台サンプラザホールで「スーパーパワーシリーズ2025」が開催。〈王者〉斉藤ジュンと〈挑戦者〉斉藤レイの三冠ヘビー級選手権試合が行われます。詳しくは全日本プロレスWEBサイトをご覧ください。
文/藤本桃子