
筑波大学の研究成果を基に、株式会社moreover(モアオーバー)が開発した骨盤底筋ケアアイテム『sokoage(ソコアゲ)』が2025年度のグッドデザイン賞を受賞した。従来の“鍛える”というアプローチに対し、骨盤底筋の柔軟性に着目し“ほぐして整える”という新しいセルフケアの形を提案する本製品は、尿漏れ等デリケートな悩みを抱える人々のQOL(生活の質)向上に貢献する画期的なデザインとして高い評価を獲得した。

「ほぐす」という新機軸
世界人口の25〜45%が経験するとされる尿漏れ・頻尿・性機能障害などの悩み。しかし命に関わらないことや相談しにくい性質から、医療機関への受診率はわずか1%台にとどまっているという。有効性が知られる従来の骨盤底筋トレーニングも、「正しい方法が分からない」「継続が難しい」といった課題を抱えていた。これに対し、『sokoage(ソコアゲ)』は骨盤底筋の柔軟性に着目。従来のケアを補完し、ユーザーが手軽に機能改善に取り組むめるよう、鍛えることよりも「ほぐす」という新しい選択肢の提供を実現した。また、プロダクト名「sokoage」に込められているのは、骨盤の底上げという物質的な意味のほかに、デリケートな症状で落ち込んだ心の底も引き上げていきたいという意味も込められているという。

手に取りやすいデザインと機能性
受賞理由の一つである製品のデザイン性。性別、年齢、体格を問わず、誰もが座るだけで正確に骨盤底筋を押圧できる独自の形状を採用している。大きさは手のひらサイズで、椅子などの上に置き、その上に座る形だ。場所を選ばず使用することができ底面傾斜角度の設計により自然な骨盤の動きを促進するという。人に相談しにくいデリケートな悩みを隠さずに前向きに改善に取り組めるよう、親しみやすいデザインを追求した結果だ。
株式会社moreoverは、このグッドデザイン賞の受賞を機にデリケートな悩みを隠さずにケアできる文化の広がり、誰もが心身ともに健やかに過ごせるウェルビーイング社会の実現を目指す考えを示した。本製品は2025年12月にクラウドファンディングサービス『Makuake(マクアケ)』での先行販売を予定している。
記事/まるスポ編集部