
5.10新宿FACEで、「KING OF DDT 2025 2nd ROUND」が開催。DDTの頂点をかけて戦うトーナメントの準決勝進出をかけて8名が激闘を繰り広げた。
2回戦最後の試合は2018年KING OF DDT覇者の佐々木大輔(2年連続14度目の出場)と是が非でもKING OF DDTを制したい上野勇希(8年連続8度目)。
佐々木は昨年度のKING OF DDTで準優勝。今年度も1回戦では予測できない試合運びで彰人を倒し、2回戦に駒を進めた。試合前、上野に「俺の生きる楽しみはお前を不幸にすることだ」と “髪切りマッチ” を要求。
一方、上野は2023年にKO-D無差別級王座を戴冠。数々のタイトルを獲得してきたが、2018年から出場しているKING OF DDTは未だ優勝なし。今年こそ優勝し、再びKO-D無差別級王座戴冠を狙う。

試合は佐々木が上野をパイプ椅子に叩きつけ場外乱闘へ。キレた上野も佐々木を投げ飛ばして反撃。上野のスリーパーホールドに、佐々木は手に噛み付いて抵抗する。
1回戦、アントーニオ本多を葬った上野のブラックアウトスリーパー(胴締めスリーパーホールド)を佐々木は必死にエスケイプ。エプロン上で繰り広げられる激しい攻防に、観客は息を呑む。
最後は上野のジャパニーズ・レッグロール・クラッチで3カウント。壮絶な闘いを制した上野が準決勝進出を決めた。

試合後、佐々木は「今日は俺の負けだ。上野が “佐々木さん、かわいそうなんで髪は切らなくていいですよ” って耳元で言ったんだ。とんでもねえ優男だな。だから俺は髪を切らない。」と髪切りを拒否。
上野は「僕は優勝した先に、 “DDTは上野がいるから大丈夫だ” と言われる存在になります。僕が求められれば、DDTの夢を求められる。DDTが求められれば、僕が求められる。それが僕の目指すレスラーとしてのゴールです。」と未来に目を向ける。
準決勝の対戦相手である樋口和貞について「樋口さんはずっと凄いですよ。でもね、ずっと凄いだけなんで。DDTはみんな凄いの分かってるんですよ。凄いだけじゃないところは、見せないと。」と冷静に向き合う。
上野には「どの興行も満席に」との強い思いがあり、満席にできなかった際には度々悔しさを滲ませるコメントを残してきた。
その背景には、団体を背負う計り知れない覚悟と責任がある。自身が思い描くビジョンを現実にするためにも、準決勝と決勝では絶対に負けるわけにはいかない。
<インフォメーション>
5月25日(日)は後楽園ホールで「KING OF DDT 2025 FINAL!!」が開催。準決勝で上野勇希選手は樋口和貞選手と対戦します。詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEでお楽しみください。
文/藤本桃子