――しかし、もう1年ハンガリーでプレーしましたね。
石立:大学卒業しオムロンに加入してから、「代表の活動」と「チームの活動」、常に行き来しながらハンドボールをプレーしていました。
ハンガリーでの3年目、最後の1年は「チームのため」にプレーして、選手活動を終えたいと考えていました。
実は、2年目フェヘールヴァールKCの結果が良く、翌年ヨーロッパのEHFカップへの出場が決まっていました。チームから3年目のオファーもあったので、この大会を最後の目標にし、ハンガリーに残りました。
――ハンガリーで活動すると同時に日本代表として活動するのは大変でしたか。
石立:大変ですね、特に時差ぼけが。ハンガリーと日本の時差は8時間あるので、状態を戻すのに3日かかります。
1つの合宿が2週間あると、3日でフィットさせます。だんだん調子が上がってきた時、チームに戻らなければいけない。
チームにも負担をかけてしまうし、自分の体にも負担が掛かっていたと思います。飛行機はビジネスクラスで帰らないと、足がパンパンに腫れますね(笑)。
――それは代表選手ならではの苦労ですね。ところでハンガリーでの3年目はいかがでしたか。
石立:最後の1年は日本代表の活動もしなかったので、自分の時間を取ることができました。3年目にしてハンガリー語も習い始めました(笑)。
この時、アシスタントとして12-13歳の子供たちのハンドボールの指導も行っていました。自分の中では、次の道に進もうと思っていたので「指導」というのは新鮮でしたね。
ハンガリーでの最後の1年は充実していたけど、自分が本当に熱くなれるものを失くしてしまったので…「世界で自分1人だけなんじゃないか?」と思うほど孤独を感じる時もあり、来年は日本に帰ろうと思いました。(前編終わり)
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取材・文/大楽聡詞